〔038〕ラビリンス

 

 

 

 

迷い込んだのはいつのこと?

 

それすらも、もう覚えてはいない。

 

最初は記憶する気もなかったから。

 

迷い込んでいるつもりがなかったから。

 

 

 

進む道が分からなくなって。

 

それを認めたくなくて。

 

あっていると信じて進んだ、あの頃。

 

思えば、あの頃から既に迷っていたのだろう。

 

もしくは、あの時迷いだしたことを認めれていれさえいれば、

 

まだ、引き返せたのかもしれない。

 

 

 

後悔はいつだって後からしかできない。

 

文字どおり、後で悔やむから、後悔。

 

何度悔やんだって成長しない。

 

いつまでたっても迷宮の中。

 

迷い続け、それでも出口はあるのだと信じ続けて。

 

永久に彷徨う。

 

 

 

その名は「ラビュリントス」

 

 

 

 

 

 

平成二十一年五月二十五日

 

 

 

 

 

 







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