〔016〕愛
 
 
 
 
 
愛さえあれば、何もいらない
 
 
 
 
そういうことを言う人は、一体何を思って言うのだろうか。
 
本当にそう思っているのか。
 
それともただの馬鹿か。
 
 
 
 
短い一生の間に、愛せる人に出会えるということはとても素晴らしいことだと思う。
そして願わくば、愛される人生でありたいと。
 
けれども、
 
その反面。疑問に思うことがある。
 
 
 
 
 
愛とは?
何?
 
 
 
 
狂わしい愛。
愛するがゆえに、強く、辛く当たる日常。
愛しているのだからと、了承を求める異性。
『愛』とは優しいものなのか。

『愛』とは美しいものなのか。

『愛』とは与えるものなのか。
『愛』とは奪い合うものなのか。
『愛』とは醜いものなのか。
 
 
 
 
 私の幼いころに事故でなくなった両親から、唯一貰ったモノは
 
 
 
「愛」
 
 
 
という、名前だけだ。
 
 
この名前には、何がこめられていたのだろうか。

 

 

 

 

017]へ続く








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